ペンネース「スス」は、とある小説から拝借しました。

「スス」という名前は、山田詠美氏の小説『カンヴァスの柩』に出てくる女の愛称である。

この小説を最初に読んだのは、18歳のとき。匂い立つような南国の空気感と、お話全体に漂う気怠げな雰囲気が気に入ったのを覚えてる。

初めて読んでから15年以上、もはや読んだことだって忘れてたけど、ブログのためのペンネームを考えるにあたって、なんとなく本棚を眺めてたら、タイトルをみた瞬間に彼女の名前が蘇ってきたので、そのまま拝借することにした。

短編小説の主人公の名前が蘇ってくるって、わたしにとって、よっぽど強烈だったんだろうと思ったから。

 

ネタバレしちゃうの好きじゃないから、内容の紹介はチョットだけ。
この物語は、恋人同士であるススとジャカの、出会いと日常を切り取ったお話だ。あるときはスス、あるときはジャカの目線から語られる。お互いの間をいったりきたり揺蕩いながら、暑くて甘くて気怠くて、ある種の不潔さを孕んで進んでいく。物語は突然はじまって、そして突然終わるけど、ふたりの日常は多分いまも続いている。

 

今回、ペンネームの由来を書くにあたって小説を読み返したのだけど、ずいぶんと官能的なお話だった。読んだ当時から、その甘さに惹かれていたのだろうと思うけど、18歳のわたしは理解しているようで、その実、想像力が足りてなかったのかもしれない。
ススって名前は、現地のことばで「牛乳」を表している。ガールフレンドを「ミルク」って愛称で呼んでると思うと、なんかちょっと、おしりのあたりがムズムズしてこない?
34歳になったわたしが「ミルク」からペンネームを拝借したと思うと、もはやちょっと恥ずかしい。いまさら変えないけど。

 

さて、この物語が、なんでこんなにも印象的だったのか。

たぶん、わたしがススに憧れるから。でも実際はジャカみたいなやつだから。ススにもジャカにも共感してる。でもどっちにもなれないし、たぶん自らの意志でならない。

 

灼熱の太陽とスコール。
褐色の肌と真っ赤なルージュ。
シーツの皺と染み。

たまには思いを馳せてもいいんじゃない?

 

カンヴァスの柩 (新潮文庫)

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